地元に住みます芸人

2011年4月27日(水)、吉本興業本社にて『あなたの街に“住みます”プロジェクト』発表会見が行われました。

2012年4月に創業100周年を迎える吉本興業グループは、「100周年プロジェクト」のテーマのひとつとして「地域社会とエンターテイメントの共創」を掲げています。

このテーマを実現するため、今年1月には全国47都道府県から各一人ずつエリア担当社員を採用することを公表、『あなたの街に“住みます”プロジェクト』では、その新入社員と共に、地元への思いが強い芸人47組が各都道府県に引っ越し、地域に密着した活動を展開していきます。

「あなたの街に“住みます”プロジェクト」の「地元に住みます芸人」広島県担当はフリータイム（松浜・塩谷）。
　

写真は「よしもとニュースセンター」から

　
　

芸歴９年。まだ鳴かず飛ばずの芸人ですが、広島が好きで離れられなかった「広島愛」では負けません――。そんな２人が、吉本興業グループが広島に設けた「住みます芸人」に選ばれた。地元密着の笑いと全国発信を目指し、４日、新たなスタートを切った。

お笑いコンビ「フリータイム」の松浜心（しん）さん（３２）と塩谷正蔵（しょうぞう）さん（３２）。

所属する吉本興業が今春から、若手芸人とエリア担当社員を４７都道府県に住まわせ、地域のために笑いを提供する「あなたの街に“住みます“プロジェクト」を始めた。２人は現在広島市に住んでおり、今後、広島ならではのネタを作りながら、広島の観光名所や特産品のＰＲ、お祭りの盛り上げに一役買う。

松浜さんは東広島市、塩谷さんは呉市の生まれ。２人は県立黒瀬高校（東広島市）の同級生で、サッカー部に所属していた。松浜さんは、当時からお笑いが好きで、ネタを書いては、塩谷さんに見てもらっていた。芸人になりたい夢があったが、広島の地を離れることが出来ず、一度は夢を諦めたという。松浜さんは「広島が大好きだったのは間違いないが、大阪や東京に行く勇気がなかったのかもしれない」と振り返る。

高校卒業後、松浜さんは呉市内の製材会社、塩谷さんも呉市内の弁当を作る会社に就職した。２００２年、吉本興業の芸人養成所「ＮＳＣ」の広島校が開校。夢を諦めきれなかった松浜さんが、塩谷さんを口説き、２人で養成所の門をたたいた。

コンビを結成し今年で９年。芸人として売れない日々が続くが、生まれ育った広島の地を離れず、一流のお笑い芸人を目指しているという。

４日、広島市内であったお披露目の会見には、間寛平さんも応援に駆けつけた。間さんは「２人は広島のため活躍してくれる」と太鼓判を押した直後に、「で、あんた誰」と笑いを誘いながら激励した。

エリア担当社員に選ばれたのは呉市出身でアイドルユニット「Ｐｅｒｆｕｍｅ」（パフューム）の初代メンバー、河島佑香さん（２２）。２人は河島さんとともに、広島ならではの笑いを追求する。

松浜さんには、生後６カ月になる長女がいる。「広島は子育てする環境も抜群。いったんは広島を捨てきれずに夢を諦めたが、イクメン芸人として広島の良さをＰＲしていきたい」

塩谷さんも「広島人は、怖そうなイメージがあるが、実は内気な面もある。そんなところが好き。全国に広島の名を広めていきたい」と力を込めた。（倉富竜太）