フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、1995年10月に京都府舞鶴市が「肉じゃが発祥の地」を宣言。
それに対して、1998年3月に広島県呉市も「肉じゃが発祥の地?」として名乗りを上げました。「肉じゃが発祥の地?」に「?」がついているのは、最初に「肉じゃが発祥の地」宣言をした舞鶴市に配慮してのことだったとか。
そして、1998年、先に発祥の地宣言をした舞鶴市と呉市は対決したのであります。場所は「第6回くれ食の祭典」。
この様子はテレビで全国放送され、肉じゃが発祥論争は全国的に有名になり、翌年は返礼として、呉市側が舞鶴市の「赤レンガフェスタ」に乗り込み、再び対決。こうして肉じゃがを通じた両市の交流が始まりました。
呉の肉じゃがは、「旧海軍のレシピどおりに料理する」のが特徴で、肉じゃがの生みの親である東郷平八郎元帥に敬意を表し、元祖の味を大切に守っています。
一方、舞鶴市の肉じゃがは、「21世紀に伝える肉じゃが」をテーマに、人参やグリンピースを加えた色鮮やかなもので、子どもたちにも食べやすい味になっているようです。
なお、「肉じゃが発祥の地」の根拠として、東郷平八郎が初めて司令長官として赴任したのが舞鶴鎮守府で、現存する最古の肉じゃがのレシピが舞鶴鎮守府所属艦艇で炊烹員をしていた故人から舞鶴総監部に寄贈され、これが「舞鶴発祥の地」説の根拠として挙げられています。一方、呉市は、東郷平八郎が舞鶴赴任より10年前に呉鎮守府の参謀長として赴任していると。呉市のが早いだろう!というのが根拠。
しかしながら、これら諸説は資料が曖昧で、最古のレシピが本当に舞鶴で作られたものなのか他の鎮守府から伝わったレシピを書き写したものではないのかという論争があり、最終決着していないため、両市とも大岡裁き的に「舞鶴・呉の双方が発祥地」としているそうです。
以上の詳細は高森直史著『海軍肉じゃが物語 ルーツ発掘者が語る海軍食文化史』に詳しい。
1,890円(税込)
「肉じゃが」のルーツは帝国海軍“男の料理”だった!“おふくろの味”人気ナンバーワン家庭料理をひもとくと、意外な歴史が見えてくる。蘊蓄、ウィット満載で軽妙に綴る肉じゃが誕生秘話。
目次
海軍料理教科書から「肉じゃが」を発見!
テレビ番組『謎学の旅』
番組後日談
海軍レシピの背景
ここでも福沢諭吉登場
イギリス式海軍の誕生
海軍誕生の背景に薩摩あり
兵食は幕府海軍を手本
乗組員に原因不明の病気続発
脚気との戦いの明け暮れ
呉市には、「くれ肉じゃがの会ホームページ」というのもあります。
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