通常、つまずくなど何らかの原因で手をつく際に、体重などの無理な力がかかり、支えきれずに
骨が折れてしまうことが多い橈骨(とうこつ)遠位端骨折。
骨折は高齢者に多くなります。原因は骨粗しょう症です。骨粗しょう症は、たとえれば骨の中が
スカスカの状態になったもので、骨がもろくなり、わずかな衝撃でも骨折をしやすくなります。
特に女性は閉経後、骨密度が激しく減少するため注意が必要です。
今回の事例は高齢者ではなく、中学生です。友達とふざけていて、ポンと押された際にバラン
スを崩し、無理な体勢で手をついたようです。
番号1が橈骨(とうこつ) 番号2が尺骨
手をついてすぐに前腕の2本の骨のうち、親指側にある橈骨(番号1)部分に腫れ、変形がみられ
ました。すぐに折れているだろうとわかりました。前腕のもう一本の骨である尺骨(番号2)は、
大丈夫なようです。
骨折は橈骨(番号1)の先端側で起こり、一言で言えば「グシャ」っとつぶれる感じです。
すぐに整形外科でレントゲン検査へ行ってもらいました。
やはり橈骨の遠位端上3センチ部、手首側のところに骨折が見られました。
整形外科では全治5週間から6週間といわれたようです。
こうした橈骨遠位端骨折の場合、接骨院では「転位した状態を戻す」
整復作業を行います。
簡単に言えば、手をついてグシャっと骨が押しつぶされた状態ですから、
慎重に引っ張って骨を良い位置まで戻すわけです。
もちろん闇雲に引っ張るなどはいけません。
この手を少し引っ張ってやる整復をすると、最初は若干痛みがあるの
ですが、そこを通り過ぎると、スーッと、もしくはフワっとして楽になります。
この整復作業を行った上で、ギプスなどの固定の作業をしないと、
「短縮」つまり手が数ミリ程度短くなる現象が見られます。
そりゃあそうですよね。衝撃で骨がグシャッとつぶれたわけですから、
元の位置に戻した上で治療しないと、そのままギブスで固定して
治療すれば、どうしても短縮が起こります。
治療方法はおまかせいただきましたので、整形外科の診断全治5週間
から6週間よりは早く回復できるようにやります!
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