肘内障

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※このコラム雑感は、当接骨鍼灸院の院長宮迫をより深く知っていただくためにこれまで出稿したものを紹介しています。

「リリーン、リリーン。」と仕事が終わりかけた20:00頃当院の電話が鳴った。
その電話は千葉に住んでいる実兄からであった。「子供が遊んでいて、手が痛いいうて、手を動かさんようになったんよ!どうしたらええかのう。」

どうしたらええかのう。と言われても私は広島、兄は千葉なので「連れてきてみんさい。」とも言えないし・・・と考えてしまった。ちなみに子供は1歳。

手を動かさない。幼児でよくあるといえば、肘関節の亜脱臼(肘内障)である。そこで私は症状を詳しく聞いてみた。まず、手を動かさない。反対の手で痛い手の手首を押さえている。他動的に動かそうとしたら大変痛がり泣く。腫脹は特にない。以上の結果私は肘内障と考え、直ちに接骨院(整骨院)に行くよう指示をした。

それから一時間ほどたって電話が鳴った。

「どうやった!」私は聞いた。

「あののう、整形外科に連れていったんじゃけどレントゲンを撮って、骨に異常はなかったんよ。ほんで手が抜けとるといわれて、手を動かしょうたわ。でも子供が泣いてあんまり触らさんかったんよ。でもコツと言うたけぇ、もう大丈夫。明日になって“まだ”手を動かしょうらんかったらまた連れてきんさい。」と言われたそうだ。

その話を聞いて私は二つの疑問が生まれた。

まず一つは兄はなぜ私が言った接骨院に連れて行かなかったのだろうか?
もう一つは整形外科の先生が“まだ”動かさんかったらということ。

一つ目は、これは夜が遅く近くの接骨院が閉まっていることもあったのですが・・。整形外科のレントゲンに魅力を感じていることがあったようです。まぁこれはいいのですが、次の「“まだ”動かさんかったら」というところは大変疑問に思いました。“まだ”ということは今現在動かしていないということです。

普通、肘内障は整復が完了すると子供はすぐにでも手を動かすはずです。また動かすことを確認して整復を完了するはずです。このことを兄に告げると「いや、子供は全然手を動かしてないで!」これは大変おかしなことです。

と、いうことで考えられることは、まだ手は整復されていないということです。

一夜が過ぎました。

当然のごとく子供の手は昨日のままで動かさない。そこで兄は子供を連れて昨日いった整形外科へ再び向かいました。しかし、手は動かずじまい。しかも処置はシップを貼るのみ。そこで私の言葉を思いだし帰途につかずその足で接骨院に向かいました。そこで、ものの一分の治療(整復)を受け子供の手は動くようになったそうです。

接骨院=ほねつぎ。

昔は骨が折れたらほねつぎへ、脱臼したらほねつぎへ、必ず行っていました。しかし近年整形外科の目覚ましい発展で骨折、脱臼はほねつぎへではなく整形外科へ、になってしまいました。その為、我々柔整師の骨折、脱臼の整復技術は少しずつ廃れ、ほねつぎへの依存度は大変少なくなっています。
 
しかしながら、柔整師は骨折、脱臼の基本からしっかり勉強をしています。今回のケースではその一端がかいまみえたと言えるでしょう。

接骨院も昔と今では路線変更をして施術の内容が随分違うのですが、元来の骨折、脱臼にもしっかり対応できるよう日々研鑽しなくてはならないと感じております。また、整形外科の先生もレントゲンやMRI等の見方等の勉強はよくされてるのでしょうが、「それを見ないとなにも分からない。」ではいけないのではないかと感じております。整形外科、接骨院双方が基本を忘れずにしたいものです。

?付録?
1,肘内障は基本的に入れば“治癒”です。一回の治療でおしまいです。
2,幼児の肘(骨)はまだ未発達の為、レントゲンではハッキリ写りません。
3,子供の手が抜けたと思って著しい腫脹がなければ“必ず”接骨院に向って下さい。

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