※このコラム雑感は、当接骨鍼灸院の院長宮迫をより深く知っていただくためにこれまで出稿したものを紹介しています。
当院は接骨と鍼灸の併用治療を行っています。そんななかで接骨と鍼灸をどうやって使い分けているのかとよく質問されます。 又、「はりをしたら、早く治りますか？」よく聞かれる質問です。
よくされる質問ですが、大変難しい質問です。質問は簡単でも答えは大変難しい。
なぜか？
それは鍼灸の効果が一律でないからです。鍼灸ですべてが治るわけではありません。また、患者さんの鍼灸に対する好き嫌いも関係があります。
当院では初診時にまず、問診表を記入してもらいます。その項目に鍼灸治療を希望しますか？ 鍼灸治療の経験はありますか？ というのがあります。
はなから、経験があって鍼灸治療を希望します。という患者さんは問題がないのですが、問題は「経験はあるが鍼灸が嫌い。」「経験はないが鍼灸が怖い。」という患者さんです。「経験があるが鍼灸が嫌い。」という人は以前受けた治療でいやな思い、苦痛を感じた人です。こんな人への鍼灸治療は私は当面見合わせ、接骨のみの治療を行います。「怖い、嫌い、イヤ！」という感情を持っている人ははりをされるというだけで筋肉が過度に緊張し、はりをして通常得られる筋肉の弛緩、緊張緩和は絶対に得られないのです。
「経験はないが鍼灸が怖い。」こんな人も結構多いです。こんな人は“はり”と聞いて即座に木綿針を思い出します。縫い物をしていて失敗して針で指をついた。こんな経験は皆さん一度位はあると思いますが、結構痛いものです。これを想像されると困ります。
まず、第一にはりの太さが全然違います。第二にはり先の形が違います。私たち鍼灸師が使っている鍼は０番と呼ばれる一番細いはりで０．１４ｍｍ、最もポピュラーに使う３番でも０．２ｍｍぐらいの太さです。また、はり先も疼痛を感じにくいようになめらかな曲線を描いております。
だから、こんな人には「とりあえず、一本だけちょこっと打ってみようか？そしてどうしても痛かったらやめよう！」と言って開始します。こうして始めると、１０人中８人は想像していたのより全然痛くないといいます。ただ、２人位はやっぱり痛い！と言います。このやっぱり痛い！と言った患者さんには鍼灸治療は当面見合わせます。
私は「鍼灸治療が体にあわない。」という人は実際いないと思いますが好き嫌いは絶対にあります。嫌いと言う人に無理やり施術を行っても効果は目に見えています。
だから患者さんに「嫌い！」と言わせないようにすることも、施術者の腕にかかっています。特にはり治療初体験の人には充分の注意、配慮が必要と思います。
以前はり治療を受けて、はり治療が嫌いになった方。はり治療はやったことがないが怖い方。
一度鍼灸院に行って先生と相談してみて下さい。きっと良い治療法が見つかると思います。
“はり”の治療効果についてはまた機会を見つけて書かせていただきます。
この記事へのコメントはありません。