2011年5月26日 デイリースポーツ
「広島2-3西武」(2011年5月26日、マツダ)
野村さい配的中も、あと一歩及ばなかった。1軍に昇格したばかりの広島・中東直己外野手(30)が
即スタメン起用されて活躍。同じく松山竜平外野手(25)も代打でプロ初安打をマークした。
最後はミスに泣いたが、野村謙二郎監督(44)の起用法はチームに刺激を与えたはず。
2連敗で順位も3位に転落したが、今後につながる1敗になるに違いない。
延長10回、中東は片岡の打球をダイビングキャッチする(撮影・市尻達拡)
悔しい敗戦だった。延長十回、梵の失策から決勝点を奪われた。打線も西武の新人・牧田を最後まで
攻略できなかった。「あと1本が出た方がという中で、こちらは惜しい当たりが抜けず、向こうは
あそこ(延長十回)できっちり点を入れた。それが勝敗の分かれ目だった」。野村監督は何とも言え
ない表情を浮かべながら振り返った。
指揮官が納得いかないのは失点の仕方だった。四回に逆転した直後の五回、バリントンは先頭打者に
四球を与えると、犠打と内野ゴロで三塁まで進塁を許し、最後は暴投で失点。無安打で同点にされた。
そして延長十回は先頭の銀仁朗の打球を、梵が失策したのをきっかけに1点を失った。
両方とも、防ぐことができた失点だった。それだけに「今日はバッテリー間のミスで、そして守備の
ミスで、それぞれ1点ずつ取られた。もったいない試合だった」と嘆くのも無理はなかった。
連敗阻止へ、勝利への執念を見せていた。嶋、天谷、中田を2軍に落とし、中東、松山、弦本を
1軍に招集した。3人の入れ替えは、今季最多。しかも実績のある嶋や天谷を降格させる人事は、
チームへのカンフル剤以外何物でもない。
しかも中東をいきなりスタメンで起用した。その指揮官の心意気に応えようと、中東は三回に左中間
へ08年4月6日横浜戦以来の安打なる二塁打。さらに守備でも延長十回に片岡の左翼線への打球を
ダイビングキャッチ。「何としても捕りたい、そういう気持ちが出たのかな」と語った。
松山も八回に代打でプロ初安打となる左前打。昨年、一昨年と1軍出場がなかっただけに「いつか
チャンスをと思っていた」と胸をなで下ろした。
「先は長いけど2人ともいい働きをした。本当は勝つことが一番の自信になるんだけどね」と野村監督。
敗れはしたが、チーム内の競争意識は高まったはず。厳しいシーズンを乗り切るためにも、野村鯉は
さらなるレベルアップを目指す。
2011年5月27日 スポニチ
敗戦に光…中東&松山、1軍生き残りアピール
交流戦 広島2―3西武 (5月26日 マツダ)
敗戦の中に確かな光明があった。広島はこの日、出場選手登録された中東と松山がそろって安打を
記録するなど、1軍生き残りを猛烈アピールした。
中東は8番左翼で昨年4月15日ヤクルト戦(マツダ)以来のスタメン出場。3回1死、牧田から
08年4月6日横浜戦(広島市民)以来となる安打を記録し、10回1死二塁の場面では片岡の打球
を右後方に走り、ダイビングキャッチするなど、攻守で全力プレーを披露した。ルーキーイヤーの
2008年以来の1軍昇格となった松山も同点の8回1死で代打で登場し、左前にプロ初安打を記録。
中東は9回2死一、二塁のサヨナラ機に凡退した打席を挙げ「ああいう場面で1本打てる選手になり
たい」と表情を引き締め、松山も「いつかチャンスが来ると思って練習していた」と高いモチベー
ションを口にした。
野村監督は「2人にヒットが出たことは良かった。だが勝って、どれだけチームに貢献したか、
ということが彼らの自信になる」と話す。結果を出し、チームを勝ちに導き、1軍に生き残る。
赤ヘル軍団の生存競争は激しさを増してきた。

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