※このコラム雑感は、当接骨鍼灸院の院長宮迫をより深く知っていただくためにこれまで出稿したものを紹介しています。


「みずがたまった。」「みずを抜くとくせになる。」
「みずが溜まって膝が痛い。」 院内で膝の痛い人によく聞く話である。“みずは悪玉”患者の頭の中にそうインプットされている。

はたしてそうであるのか?

異論、反論はあるかと思いますが、私の院内の説明を紹介します。

まず説明することは“みずは善玉”、人間には“みず”は必要なものである。こう説明するとほとんどの人が《この先生なにようるん!》という顔をしてキョトンとする。 関節液は関節軟骨の栄養と関節面の摩擦を防ぐ潤滑剤であり、正常膝関節液量は0.13?3.5mlで炎症があると100mlを超える場合があります。

「みずが溜まって膝が痛い。」????そうではない!

「炎症があるから、みずが溜まる」である。鶏が先か、卵が先かのような話ですがとても大切なことです。だから治療はみずを抜くことではなく、炎症をとることである。

「みずを抜く」この行為をすべて否定しているわけではありません。

関節液の成分分析は現在かなり進んでいるのでみずを抜いて膝の中の状態を確認、鑑別診断することは大変重要なことです。また、みずが大量に溜まってしまって膝の屈曲など日常生活などが困難な時は一時的に抜くことは大変良いことだと考えます。

私は膝にみずが溜まる状態を「火事」にたとえます。

炎症が火事としたらみずは消防車です。ぼや程度の火事に消防車は2,3台も要らない、大火事(山火事は除く)としても10台以上の消防車が必要なことはごく稀なことです。
 
体が過剰に防衛反応を起こし消防車が10台もきたら、膝は腫れ、膝蓋跳動を起こす。その時にいらない消防車に帰ってもらう、このことが注射による抜水です。 しかし、みずをすべてとってしまったら火事はおさまらない。火事がおさまらないとまた消防車がやってくる。この繰り返しです。火事を消すためには、すなわち膝の炎症を取り除く根本治療をしなければなりません。
 
みずを抜くだけでは膝は治らないのです。繰り返し毎日のようにみずをぬいていると逆に膝が変形してしまうこともあります。

みずを抜くことは柔整師、鍼灸師には出来ません。また整形外科、外科等の医療機関ではわたしたちの行っている手技療法は出来ません。(現在整形外科等で柔整師、鍼灸師を雇っているところもありますが・・)
 
接骨院、鍼灸院と整形外科等の両方の利点を上手に使って、患者さんの為になるようにしたいものです。

(参考) 関節液の性状
正常関節液は淡黄色であるが、病的になると黄色、黄緑色、褐色、赤色などになる。正常関節液、軽い炎症の時は透明であるが、炎症の強い時には混濁し、重症の場合は膿性となる。
正常関節液はムチンを含むため粘稠で糸をひく、病的の場合は粘度が低下する。


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